先日、額のボトックス治療の効果が出やすい方、について書きましたが、今日はその逆の問題点について書きます。

ここでまず前提として最も大切なことは、ボトックスの直接の作用はシワをとることではない、ということです。

ボトックスの作用は、筋肉の働きを緩めること、です。
顏のシワは顏にある表情筋が伸び縮みすることで出来るため、それを伸び縮みしにくくすることがボトックスの効果で、その結果、シワが出来にくくなる、という作用があります。

つまり
ボトックスが表情筋の力を緩める、弱くする
ダウン
表情筋に引っ張られて伸び縮みしていた皮膚の伸び縮みの割合(程度)が減る
ダウン
皮膚が伸び縮みすることで出るシワが減る、浅くなる

という段階があります。が、多くの方はこの過程をすっ飛ばして、ボトックスはシワをとる注射だ、と思っていらっしゃいますが、その過程をご理解いただくことが重要です。

さて、この前提をご理解いただいたうえで額のボトックス治療の問題点について話を進めます。

額のシワは前頭筋の伸び縮みによって刻まれます。
この前頭筋には眉毛を持ち上げる、という重要な働きがあります。
そして、眉毛を持ち上げる、ことで目を開くことをサポートしています。

このためボトックスを打つことで前頭筋の働きを弱くした場合、以下のような問題が発生する可能性もあります。

・まぶたが重くなった、開きづらくなったように感じることがある。
・上まぶたの皮膚のかぶさりが多くなる。
・眉毛がを上に動かす表情がしづらいので、表情が多少乏しくなる。
・額の外側の筋肉の動きが強い場合、筋肉のバランスが乱れ眉毛の外側が上がりやすくなることがある。(スポック眉)

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スポック船長

こうした問題をなるべく回避するためボトックスを打つ量を調整する、打つ場所を工夫する、という対策をとっておりますが、そもそもボトックス以外の治療方法をお勧めする場合も多くあります。

ボトックス治療は大変有用な治療法の一つではありますが、筋肉の動きを弱める、という効果の裏には、動きが弱くなることによって起きる現象もあります。
そして、この現象により問題が起きる可能性が高い方には事前に予測してお話し、ご理解いただいておかなければ、結果にご満足いただけないこともあります。

額のボトックス治療は、解剖の知識だけでなく、観察力や、予測力、説明力など、医師の力量が試されますね。

ボトックス以外の額のシワの治療方法については後日に書きたいと思います。

西田美穂

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