シンガポールでは実際のご遺体による解剖実習を経験してきました。
まずはじめに、多くを学ばせていただきましたご遺体に心より感謝を申し上げ、ご冥福をお祈りいたします。
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医学部2年生の時にも解剖実習はありましたが、それ以来の経験で、高まる緊張。
多くの医師が参加しており、実習は5~6人の班に分かれて行われました。
一つの班にそれぞれご遺体の頭の部分が一体ずつ

まずは解剖のエキスパートの先生方による、一部位ごとのガイダンスを伺ってから、各斑のメンバーでそれぞれ実習を開始。各テーブルには指導の若い先生がいらして、エキスパートのドクターたちは各テーブルを回りながらキーポイントの指導をされます。

額⇒側頭部⇒眼窩⇒頬部⇒下顎部と進めていき、それぞれの筋肉や神経、血管の走行と位置を確認し、それを元にリスクの高い部位を見極め、比較的、安全性の高い注入方法やテクニックを学ぶことができました。

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解剖の教科書で頭に叩き込んでいたつもりでも、ご遺体で解剖させていただくと、立体でのイメージがつき、さらに顔面の構造への理解が深まります。

ヒアルロン酸やボトックス注入をはじめとして、安全で効果的な治療を行うためには、顔面の解剖の習熟が必須です。

 

施術の時に、何度も何度も解剖を教科書で確認しますが、何度確認しても充分ということはありませんし、どれだけ気を付けても100%の安全を保障することはできないため、少なくとも避けられる問題は回避するように、出来る限り努力するようにしています。

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写真のDr..Dalvi Humzahには特に丁寧にご指導いただき、本当に感謝です。

解剖に加え、先生の普段の注入テクニックまで教えていただきました。

こうした解剖の機会は日本では得られないため、帰りのバスぎりぎりまで、入念に拝見させていただきましたが、全然時間が足りませんでした。

もっと、見たいところがいっぱい。

もっと、聞きたかったところもいっぱい。

もっと、知りたい。

 

学ぶこと、知ることそのものに純粋にドキドキするほど興奮した、というのは久々の感覚で、それから数日、アタマが冴えて眠れず、アドレナリンが一気に出過ぎたのか、仕事以外ではグッタリ。ようやく、落ち着いてきました。

 

機会を作って、また解剖を学びに行きたいです。

医学は、解剖を学ぶことに始まり、解剖に尽きると思います。

 

ヒトの身体ってすごい!とただ純粋に感動していた医学生の頃の新鮮な気持ちに立ち返ることができたような気がします。

ご遺体に改めて感謝を申し上げます。

 

余談ですが・・・20年前の医学生時代、解剖は4人一組のアイウエオ順で班が決められており、当時ナガマツという苗字だった私は、今の夫であるニシダとは同じ解剖の班でした。

そこで恋が芽生えたかって?それでそのまま結婚したかって?

そんな少女マンガみたいなこと、あるワケないやん。

現実は、マンガより奇なり。

 

見寺絢子クリニック

西田美穂 

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