以前は、厚生労働省に認可されたニキビの処方薬と言えば、抗生物質の内服・外用とイオウくらいだったのが2008年にディフェリンが認可されて以来、近年のベピオやデュアックも加わり、一気に保険で処方できる薬が増えました。
ニキビは、進行すると瘢痕になり、瘢痕になると、治療は困難を極めるため、出来る限り初期の段階で重症化する前に治癒にもっていきたいものです。
ニキビはアトピーと病態は違うものの、同様の皮膚の慢性炎症性疾患ですから、必ず病院での治療が必要な肌の病気です。
ところが以前は「ニキビは青春のシンボル」とか「にきびは病気じゃないから病院に行かなくていい」というような風潮があったので、現在大人になっている世代にはニキビ瘢痕を残している方も多く見られます。ぜひ、病院で適切な治療を受けましょう。
今回の松永先生のお話しの中心であった過酸化ベンゾイルゲル(ベピオ)も薬剤耐性を心配せずに処方できるニキビの治療薬の選択肢の一つです。抗菌効果と角質剥離作用がその主な効果で、赤ニキビの減少効果は12週で7割との研究結果があります。
ちなみにこの同じ研究の比較試験でプラセボ(被験者に薬と言って塗ってもらった薬効の無いゲル)でも赤ニキビは12週で4割が減少しており、個人的にはこっちの結果がすごく面白いと思っています。薬じゃないのに、薬だと思って塗れば良くなるということですよね。
これって、すでに信頼関係のある医者が「この薬、効くよ」といって出せばもっと割合は上がるんじゃないかしら。「病は気から」と言いますが、実際、病院で働いていると心と病気の関係には驚かされることもあります。(と、話がどんどんそれるのでまた今度)
当院もニキビ治療には力をいれており、保険での診療は勿論のこと、ピーリング(サリチル酸、TCA)やイオン導入、また、ニキビ跡に対してのオバジゼオスキンによる加療も行っています。
目から鱗だった松永先生のご講演内容についてもっと触れるつもりが寄り道しすぎて長くなったので、続きはまた後日に(^o^)/
見寺絢子クリニック
西田美穂
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