今日は、後天性両側性太田母斑様色素斑(ABNOM)、または後天性両側性真皮メラノサイトーシス(ADM)と呼ばれる両頬の色素斑に肝斑を合併した症例のご紹介です。症例写真へのご協力ありがとうございました。

写真上)初診時

写真下)初診から15ヶ月後

 

初診時にはかなり肌が乾燥し、不安定な状態だったこと、またABNOMに加えて肝斑もあったため、

クリニックではトランサミンとビタミンCのイオン導入、

自宅でのスキンケア指導、トランサミン内服など、2ヶ月間のプレケアを行いました。

その後、肌の状態が改善してきたため、両頬にQSYL(Qスイッチ付きYAGレーザー)、レーザー後にはアフターケアとしてハイドロキノンとトレチノインを使用していただくことにしましたが、肌の敏感な方だったため皮膚炎の症状が強くなり、途中で中止してレーザートーニングでアフターケアを行いました。

肝斑については完治困難であること、また、深部の色素はまだ残存していますが、全体的な色調はかなり改善しています。

写真の経過中(15ヶ月間)に行った施術は以下です。

・QSYL(Qスイッチ付きYAGレーザー):3回

・トランサミンとビタミンCのイオン導入:11回

・レーザートーニング:6回

 

写真左)初診時

写真中)初診から12ヶ月後

写真右)初診から15ヶ月後

ABNOM(もしくはADM)と言われる病変は皮膚の深部に色素があります。このため、ZOスキンや光治療では改善はできず、レーザーは複数回必要になります。また、肝斑を合併することが多いため、レーザー治療も一筋縄ではいかないことが多いのですが、ホームケアとクリニックでのケアを組み合わせ、患者さんとの二人三脚で治療を進めることで、かなり改善できました。レーザー後は色素沈着がかなり出て、不安になった時期があったと思いますが、信頼して共に治療を続けてくださり、ありがとうございました。

引き続き治療を行い、さらに改善を目指したいと思います。

 

【費用】

・QSYL(Qスイッチ付きYAGレーザー):1回目5万円、2回目以降半額

・トランサミンとビタミンCのイオン導入:11回 1回あたり4950 円

・レーザートーニング:6回 1回あたり20,000円(トランサミンイオン導入込み)

その他、ホームケア用化粧品として

デイリーPD(ZOスキン)、ハイドロキノン4%クリーム(プラスリストア)など

費用は予告なく変更することがあります。

最新の料金表はHP(こちら)でご確認くださいませ。