今日は、紫外線と日焼け止めについて、NHKラジオの生放送で、5分ほど話す機会をいただき、ヘンな汗を色んなところにかきました。
 
さて、ラジオをお聞きいただいた皆様も、そうでない皆様にも、紫外線と日焼け止めお話は、ぜひ知っていただきたく、放送の補足も兼ね日焼け止めと紫外線のQ&Aについて書いてみたいと思います。
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原田徹アナウンサーと、ナビゲーターの永安智子キャスターと、ど緊張でひきつる私
 
Q>紫外線はどんな種類があるの?
A>紫外線は、波長の長さによってUVA,UVB,UVCに分けられます。そのうち、波長の長いUVAは、皮膚の深部に浸透してシワの原因となり、UVBは皮膚癌や、日焼け、シミの原因となります。また、プールや海で真っ赤に焼けてしまう(サンバーン)は主にUVBの作用。その後、じっくり黒く色づく(サンタン)は主にUVAの作用です。このうち、UV-Aは天候に左右されないので、雨でも紫外線防御を怠らない方がいいのは、シワの原因を作らないためです。

ちなみに現在、オゾン層が薄くなり問題となっているのは、オゾン層にUVBとUVCを吸収する効果があるからです。オゾン層が薄くなることにより、地表に到達する紫外線量は増えます。特にUV-Cは最も細胞障害性が強く、生物にとって最も有害で、その作用を用して人工UV-Cを作り殺菌や消毒に利用されています。

 
Q>5月の紫外線は年間で一番強い?

A>紫外線の量は、太陽高度や上空のオゾン量、雲やエーロゾル(大気中の浮遊微粒子)などの影響を受けて変化します。このうち、最も紫外線の量と関係があるのは太陽の高さで、紫外線量が最も多いのは7月から8月という気象庁のデータがあります。
確かに5月から紫外線は増え始めますが、最も多いわけではありません。
5月から6月は日射量(太陽光が地上に届く時間と太陽高度に関係する)は確かに増えますが、雲やオゾン層により地上に届く紫外線は減衰するため、紫外線が多いのはやはり7月から8月です。
確かに、雲の影響をさほど受けないUV-Aは日射量と比例しますので、5月は、紫外線の総量が夏に比べてやや低い割に相対的にUV-Aの量は多いと言えるとは思います。
このため、巷では5月の紫外線は一番多いと言われているようですが、「意外に」多いのが事実だと思われます。

Q>雨の日や曇りの日は紫外線は弱い?

A>紫外線の量は、曇りの日で快晴の50~60%、雨の日で30%と言われ、梅雨の時期でも紫外線は降り注ぎます。特に、雲に関係のないUV-Aは梅雨の時期も燦々と降り注いでいるため、雨でも紫外線防御が必要です。このUV-Aはシワの原因になります。

Q>紫外線は上からだけじゃなくて照り返しが怖い?

 
A>紫外線防止効果のある傘により、上空からの紫外線は90~95%の紫外線をカットできますので、梅雨時期、雨の日に傘をさす行為は紫外線防御に有効ですし、もちろん日傘が有効なのは言うまでもありません。
帽子の場合、つばが7㎝あれば、紫外線の60%はカットできます。
地面からの反射は以下の通りです。
(雪面 80-90%、水面 20-80%、砂浜 10-20%、コンクリート・芝 数%)
常識的には、日常生活では道路(コンクリート)の照り返しの数%に過剰に敏感になるよりも、上から注ぐ紫外線の防御を考えれば良いと思います。
 
それにしても、「生」はビールと食パンくらいでいい。
「生」放送に応えられる機転は持ち合わせておりません。
 

見寺絢子クリニック

西田美穂 

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