夫に「今日の晩御飯は何かリクエストある?」とLINEで聞いたら、
「赤身の上質な牛肉を、1センチ四方のダイス状に切って肉の味わいとしっかりとした歯ごたえを出し、それとは別に脂身の多い部分を包丁で叩いてミンチにし、牛脂の旨味を存分に味わえる、お酒に合うような、ビーフ100パーセントツナギ無しの肉々しいハンバーグが食べたい」
と返事がかえってきました。それを読んで、私は夫をニクニクしく思いましたが、彼の呆れたリクエストに応えてみることにしました。
なぜなら、その日は彼の誕生日だったからです。
まず、牛肉を2種類買い、赤身を包丁で刻み、脂身の多い方を粗めに叩いてボールに入れ、塩で練って粘りが少し出たところにブラックペッパー、微量のカレー粉、ナツメグを加えて丸めてハンバーグをつくりました。
してやったり
「そう。僕が食べたかったのはコレコレ、このハンバーグ」
と夫は大絶賛し、肉肉ハンバーグをツマミに、夫が職場から誕生日にいただいたワインを空け、その日は楽しくお祝いをすることができました。
さて、夫の細かすぎるリクエストには毎回呆れつつも、これを機になるべく具体的に希望を出してもらうことにしました。
私は、数日の献立や体調から夫の頭の中と胃袋を想像して期待に応えれるような、デキた主婦でなく、もし漠然と、「なんか美味しいもん」とか「なんかガッツリしたもん。」とか言われるととても困ります。
何を出しても美味しいと食べてくれるなら良いのですが、「なんか美味しいもん」の「なんか」が実は彼の中で漠然と形があった場合は厄介です。
そして、希望が実現した人は感動し、結果に満足する確率は上がります。また、作り手からしても、相手が喜ぶ姿を見ると幸せな気持ちになれます。
これは、晩御飯問題だけでなく、美容医療にも通じます。(長くなったので、明日につづきます)
西田美穂