Beauty Tuning Clinicでは、ボツリヌストキシンを用いた治療を「シワを取る治療」としてではなく、表情筋の働きを全顔でアセスメントし、表情全体のバランスを整える治療として位置づけています。

この考え方を、当院では「表情筋調律」と呼んでいます。


なぜ「調律」なのか

「調律」とは、楽器の音を整えるときに使う言葉です。

ひとつの弦だけを強く弾いても、音楽にはなりません。それぞれの弦が適切なバランスで響き合うことで、はじめて美しい音が生まれます。

表情も同じです。

表情筋はひとつの筋肉だけで単独に働いているわけではありません。眉を寄せる、口角を上げる、目を細める――こうした表情は、複数の筋肉が協調しながら作られています。

そのため、ひとつの筋肉だけを強く止めすぎると、シワは減っても、表情全体のバランスが崩れてしまうことがあります。

「どの筋肉を緩めるか」だけでなく、「どの動きを残すか」「どの筋肉とのバランスを見るか」――この視点が、当院のボツリヌストキシン治療の根幹にあります。


表情筋調律の解説動画

2026年6月21日に開催されたMIRAI BEAUTY Fes 2026にて、「ボトックス治療のパラダイムシフト」というテーマで講演を行いました。

その内容のうち、表情筋アセスメントの基礎にあたる部分を動画にまとめています。ぜひご覧ください。

 


表情筋調律のための3つのアセスメント

動画の内容に沿って、3つのポイントを解説します。


Part 1:こわばりの検出

表情筋調律の出発点は、患者様ご自身も気づいていない表情筋の「強張り」を見つけることです。

眉間の皺眉筋、顎のオトガイ筋、口輪筋などは、無意識のうちに過緊張を起こしやすい筋肉です。

たとえば眉間に無意識の強張りがある方は意外と多く、これがあると「不機嫌そうに見える」印象につながるだけでなく、表情筋同士は互いに影響を与え合うため、笑顔の表情そのものも出しにくくなります

そのため診察では、鏡の前で作った表情だけでなく、入室時・会話中・説明を聞いているときなど、意識していない場面の表情を観察することを大切にしています。

 


Part 2:挙上筋と下制筋のバランス評価

顔の表情は、上に引き上げる筋肉(挙上筋)と、下に引き下げる筋肉(下制筋)のバランスで成り立っています。

たとえば口元では、大頬骨筋などの挙上筋が口角を引き上げ、口角下制筋や広頚筋などの下制筋が口角を引き下げます。眉周囲でも、前頭筋が眉を持ち上げ、皺眉筋・鼻根筋・眼輪筋などが眉を引き下げます。

加齢や表情グセによってこのバランスが崩れると、下制方向の力が強くなり、表情が重く・硬く見えることがあります。

こうした場合、下制方向に働く筋肉を適切に緩めることで、相対的に挙上筋の働きが引き立ち、表情の印象が変わることがあります。


Part 3:個別性の把握

同じ「シワ」「表情の悩み」であっても、治療設計はひとりひとり異なります。

患者様の職業、生活背景、対人場面で求められる印象、過去の治療歴、そして表情の好み――これらすべてが治療の設計に関わります。

たとえば、接客業の方にとって目元の笑い皺は親しみやすさを伝える大切な表情の一部であることがありますし、眉間のシワが傾聴や思慮深さの印象として機能する場面もあります。

「すべてのシワをなくすこと」が必ずしも理想ではない。

大切なのは、その方にとって必要な表情を見極め、医学的評価と患者様のご希望の両方を丁寧に照らし合わせることです。

表情筋調律では、「打つ部位を決めること」と同じくらい、「打たない部位を見極めること」が重要です。


ボトックスは、表情を奪う治療ではありません

ボツリヌストキシン治療に対して「表情がなくなるのでは」「笑えなくなるのでは」と不安を感じる方は少なくありません。

しかし、適切にアセスメントし、必要な筋肉に必要な量を作用させれば、ボトックスは表情を奪う治療ではなく、本来の表情を取り戻す治療になり得ます。

強張りを緩めることで、笑顔が作りやすくなる。 下制筋の過剰な働きを調整することで、口角が自然に上がりやすくなる。 表情全体のバランスを整えることで、不機嫌そうな印象がやわらぎ、自然な明るさが生まれる。

これが、当院の考える表情筋調律です。

↑本症例について詳しくは こちら

 

↑本症例について詳しくは こちら

 

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当院のボツリヌストキシン治療について

当院では、診察時に表情筋の状態を丁寧に確認し、治療の適応を慎重に判断しています。状態によっては、治療をおすすめしない場合もあります。

ご不明な点はお気軽にご相談ください。

【関連ブログ】
日本美容外科学会2026講演「ボツリヌストキシンによる表情筋調律」こちら

MIRAI BEAUTY Fes 2026 講演内容「ボトックス治療のパラダイムシフト」
第1回 こちら 年齢印象や加齢印象を決める「表情」とは?〜ボトックスチューニングの考え方〜

第2回 こちら 全顔アセスメントに基づくボトックス治療と症例

第3回 こちら老けを早める表情ジワ4選 〜気づきにくい表情クセとボトックスチューニング〜


※ボツリヌストキシン治療の効果には個人差があります。 ※診察により適応を判断し、状態によっては治療をおすすめしない場合があります。 ※自由診療です。費用は使用単位数・治療範囲により異なります。 ※主なリスク・副作用として、内出血、腫れ、痛み、左右差、表情の違和感、眉やまぶたの下がり、口元の動かしにくさ、効果が不十分または強く出る可能性などがあります。


まずはぜひご相談ください。

 

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