「あれも調律、これもTuning」というのは、
あとから気づいた話だ。
最初は、やっぱりボトックスだった。
動きを弱める、シワを減らす、
そこから「調律」という発想にたどり着いたのだけれど、
しばらくして、ふと、別の施術をしているときに思う。
あれ、これも同じことをやってないか?と。
たとえば、眉毛下切開リフト。
上まぶたのたるみを取る手術だけれど、
ただ余った皮膚を切って縫えばいい、という話では終わらない。
傷は眉の輪郭に沿わせて、なるべく目立たないようにするし、
取りすぎれば目元の印象は変わってしまい、ひきつれて新たなシワが増える。
どこまで取るか、どこを残すか。
その人の目元の印象を壊さない範囲で、少しだけ軽くする。
これも、「自然な仕上がり」を至高とする、僕らが言うところの調律に近い。
埋没法の二重もそうだ。
若い人が二重にする、という話だけではなくて、
たるみが出てきたまぶたを折りたたんで収納する、という使い方もある。
切りたくはない、でもそのままはいやだ。
ならば、余っているものをどこにどう収めるか。
これも、つくりかえるというより、
整えている感じがある。
糸リフトは、もっとわかりやすい。
皮下に糸を入れて、たるみを持ち上げる。
いわば、サスペンションの調整みたいなものだ。
正直なところ、
長期的な持続には限界もあるから、
もろ手をあげてすすめることは少ないのだけれど、
「引っ張り具合を整える」という意味では、
かなりチューニングっぽい。
ショートスレッドは、また違った面白さがある。(当院ではアキュパンクチュアリフトと呼んでいる施術です)
細い糸を、縦や横に、織物のように入れていく。たるんだ皮膚を、面で支える。
やっていることは、
すかすかになってきた布地に、裏打ちの縦糸と横糸を足していくようなことだ。
裏打ちが多すぎてもごわつくし、少なすぎてもだめで、
ちょうどいい張りを探す。
ああ、これも調律だな、と思う。
HIFUやRFのような熱で引き締める治療も、似たところがある。
エネルギーを入れて、皮膚や組織のテンションを少しだけ上げる。
ヒアルロン酸も、
単にしわを埋めるだけではなくて、
靭帯の基部に少し入れて靭帯の立ち上がりを強化することで、
全体の支え方を変えるような使い方がある。
どこを埋めるかというより、
どこの支点を活かすか。
こうして並べてみると、
違う施術ではあっても、治療の思想は同じだな、と思う。
強さ、張り、重さ、位置。
それらのバランスをとろうとする。
美容整形というと、
「まるで別の顔になる」ようなイメージを持たれることもあるけれど、
僕らが好感を持つ手法には、
こういう小さな調整の積み重ねで、その人らしさを残したまま、
ほどよく若見えする方向に寄せていくようなものが多い。
そう考えると、
「Beauty Tuning Clinic」という名前は、
やっていることを言葉にしただけとも言える。
そういえば自分の上まぶたも、
埋没法でたるみを調整してもらっている。(聖心美容クリニック札幌院院長前多一彦先生の、 11年前の作品です。)
別のぱっちり二重を目指したわけではなくて、
「目元が明るくなったな」という希望通りの変化。
ご興味があれば、診察時に見てみてくださいね。
西田真
西田真が当院の治療思想を語る三部作
①「自然な美容医療って?」こちら
②美の調律 〜Tuningという考え方〜こちら
③あれも調律、これもTuning こちら